2016-17 RAINBOW COUNTRY×MUSHMANS 別注アイテム 【前編-ディテール】
皆様こんにちは
MUSHMANS代表の藤田です
季節は未だ夏を迎えていない頃合ではございますが、今秋のアイテムを御紹介する季節になってまいりました。
毎年別注アイテムを楽しみにしていてくれているお客様が多く、今年の別注モデルはどんなモノを作るんですか?といったご質問のお電話も多くいただく季節になってきました。
少しずつ各メーカーやショップさんの秋冬モデルが発表され、お客様も今年のモデルをどうするか?
色々と迷い、楽しい季節と言っても過言ではございませんよね
今シーズンも、勿論別注アイテムを多数企画しておりますが、やはり【RAINBOW COUNTRY】との別注モデルは皆様期待して待ってくれいているようで、最もお問い合わせの多いカテゴリーです。
本日は、今シーズンリリースいたしますMUSHMANSとRAINBOW COUNTRYの別注モデルを御紹介いたします。
何回かに分けて御紹介しようかと思っておりますので、是非御覧下さいませ
なんで何回かに分けるのかって? そりゃ、書きたい事が多すぎるからでしょ

2016年シーズンの別注企画は、レザーマテリアルだけに留まらず新たなモデル。
今まで取り組んでこなかったヴィンテージの再現。
シンプルな中に味わいを感じる50年代のアメリカレザージャケット。
そこに現代のエッセンスを加えて昇華させたモデルをリリースいたします。
昨年の戦後70年を迎えての『Neutral/ニュートラル』というテーマから一転して
アメリカにおける『50's/フィフティーズ』
アメリカ大統領選挙を今年の11月に控え、これから先の情勢は暗澹としたものに見える。
貧困の格差が広がって行くのはアメリカだけの話ではないが、先行きが不透明な現状だ。
サブプライム問題に端を発する金融危機は、1年半に及ぶ景気後退をもたらしたが
ゼロ金利と量的緩和という積極的な金融緩和策の発動等によって、景気は回復から拡大に向かった。
米国の実質GDPの水準は、危機前のピークを100とすると、2015年は110まで拡大しているといわれる。
日本やヨーロッパが危機前のピークとほぼ同水準で未だにもたついているのに比べると
米国は順調に成長軌道へ戻ったといえる。
ただ、景気が下降局面に入ることが意識されてもおかしくない時期に来ていることも事実だ。
ここで多くを語らずとも、順風満帆とは言いがたい状況ではないだろうか?
世界の警察と呼ばれるアメリカ合衆国は先の大戦が終結した時点で
GNP(国民総生産)が世界の半分を超えていたという。
アメリカの活気が戻ってこそ、世界の活気へ繋がることとなる。
だからこそ、今 20世紀で最も活気に溢れた時代、言わばアメリカの活気の反映であった
1950年代を肌で感じる必要があるのだろう。
1945年に第二次世界大戦が終結し地球に平和が訪れる。
そこには後の冷戦の予兆を含んでいたが、それに気付いていたのは極僅かな人だけであった。
50年代は「アイゼンハワーの昼寝」と呼ばれた時代である。
大戦時に連合軍を勝利に導いた立役者であったアイゼンハワーは52年に大統領になるが
彼の治世によって平和で安穏な時代が到来したという比喩であった。
大戦時を題材にした映画を観た事があると思うが、米国軍の人間尊重主義は手厚いものであった。
負傷兵の手当て、戦死者の遺体収容、そしてその本国帰還。
「プライベートライアン」等はそれを如実に描写している映画であろう。
アメリカのヒューマニズム[人間尊重主義]こそが、戦後50'sにおける繁栄を生み出したと言える。
戦後の日常におけるヒューマニズムは、暮らしのうえで快適さと便利さを追求させた。
そこに大量生産・大量消費という命題が掲げられた事で
それまで特権階級のみが許された贅沢や自由を、一般階級にまで行き渡らせたのだ。
大衆の利益こそ、産業の巨大化を生み、経済的利益を生むことを知っていたからだろう。
そのヒューマニズムは、生活に直結する服飾ファッションにも様々な革命をもたらす。
着心地が良く快適なカジュアルファッションの到来である。
それまで本流とされてきた英国のそれとは一線を画すスタイルは
現代のカジュアルファッションの基盤となっている事は間違いが無い事実であろう。
前置きが長くなったが、今回50'sをテーマにするにあたって
ヒューマニズムにスポットを当てる。
前述した、ファッションにおける『着心地が良く快適なカジュアルファッション』の再現
それに適当であるのが、50年代に流行したスポーツジャケットである。
日本ではカジュアルな上着を全般的な呼称として「ジャンパー」と呼ぶ。
英語ではそのような呼び名の上着は存在していない、スウィングトップというのも和製英語であり
ゴルフプレーで使用する上着、即ちスイングの際のトップ(上着)という事でそう呼ばれたという説がある。
この類を総じて『スポーツジャケット』と呼ぶのが正しい。
その名の由来通り、スポーツ時やスポーツ観戦時、さらには日常において愛されたスポーツジャケットは
まさに『着心地が良く快適なカジュアルファッション』の代名詞とも言えるだろう。

アメリカでの3強ストアブランドであった"MONTGOMERY WARD社"のレザージャケットブランド
【WIND WARD/ウィンドワード】
が1950年代にリリースしていたスポーツジャケットが今回のリプロダクツの原型。
戦後のアメリカの繁栄は産業と消費によって支えられ、モータリゼーションの進歩
それらと共にメールオーダービジネスから、今で言う郊外型のショッピングモールビジネスに移行すると
"MONTGOMERY WARD社"はメールオーダービジネス時代のライバル"Sears Roebuck社"や"JCPenny社"
の後塵を帰すかたちとなり、30年代には"Sears Roebuck社"からの買収・合併の申し出があるも
それらを断り、独自路線を貫いた過去を持ちます。
こと、同社レザージャケットブランドとして存在した【WIND WARD/ウィンドワード】は
独特の雰囲気を纏ったモデルが多く存在します。
シンプルの中にも、ちょっとクセのある そんなデザインが今だから革新的に感じる部分もある。
画像のヴィンテージは、まさにスポーツジャケットの体を成しており
動きやすさと実用性に富んでいるディテール、この素っ気無いデザインこそが今回のモデルアップの
最大の見せ場と言っていいでしょう。
50年代特有の、実用的なディテールと、それでも30年代から40年代の緻密な意匠の名残が残る過渡期ともいえる
服飾生産背景を この一着から感じていだけると思います。
このヴィンテージがRAINBOW COUNTRYの手によって、どうなるのか?

RAINBOW COUNTRYが作りこむと、また違ったテイストを楽しむ事が出来ます。
まさに50年代のテイストはそのままに、コンセプト通りの"昇華"を得ました。
マテリアルに関するご説明は、次回のブログでご説明させていただきますので
今回はディテールに関するお話を中心に進めて参ります。

50'sのレザージャケットは身幅が広く、着丈が短いBOXシルエット。
さらにアームホールも太く仕上がっておりますので、日本人の平均体型で着用すると
「借りてきた」感がどうしても出てしまいます。

RAINBOW COUNTRYの優れたパタンナーによって再現されたこちらのモデル。
ウエスト周りのシェイプと、着丈の修正。またアームホールの修正によって
洗練されたパターンが仕上がりました。
あまり追い込んでタイトに作ってしまうと雰囲気が損なわれますので、50'sのテイストはそのままに
現代の日本人が自然に着用出来るサイズ感になっております。

このヴィンテージの特徴となりますと、まず始めにカラー(襟)が挙げられるでしょう。
よくあるスポーツジャケットの襟付けは、ボディーの表裏のパーツに挟まれるかたちで取り付けられます。
しかしながら、今回のモデルはボディーのパーツと割り縫いによって接合されます。
これによって襟先のポイントから胸元までが、美しいアール(曲線)で構成されます。

もちろん忠実に再現されております。
イタリアンカラーのような襟の見栄えになりますので、落ち着いた雰囲気をもって着用
いただける事でしょう。着用時の襟の落ち着き方は秀逸です。

続いて特徴的なのが、ハンドウォーマー部に施される装飾です。
この膨らんだ装飾は、別パーツを取り付けている訳ではありません。
革の中に芯材を埋め込み、そのキワを縫製する事によって生まれます。

勿論これも忠実に、、というかヴィンテージ以上の仕上がりとなりました。
50'sのヴィンテージですから、少なくとも60年以上は経過しております。
新品時は、これと同様にしっかりとした輪郭があったのでしょうか?

ライニングのダメージが大きかった今回のサンプル。
一見するとアイボリーのような?ベージュのような色のライニングが装着されております。
縫合の内側を見るとシャンパンゴールド色が残っておりますので、恐らく日焼けと
長年の使用によって退色し、現在の色のようになったのでしょう。

新品時のカラーが恐らくこのようなシャンパンゴールドだったのかと思います。
この辺も忠実に再現しております。
薄でのサテン地ですので、活用出来るシーズンが非常に長いのが嬉しいところです。
気温20℃前後から気持ち良く着用いただけますので、デニムジャケット(Gジャン)の着用レンジと同様です。

付属パーツに関しても同様に再現をしております。
やや引き手が長くなり、先端の形状が丸くなったモデルの棒TALONが使用されております。
素材はSOLID BRASS1950年代〜70年代に使用されていたモデルです。
今では現存する数も少なくなって参りました。

勿論、デットストックの棒TALONを使用しております。
やはり、ココはこだわりたいポイントですよね。

胸ポケットは、5連チェーンタイプ。

勿論、5連チェーンジッパーを採用します。
ヴィンテージのポケットの全幅が狭く、確実に使い物にならなかった為
今回のモデルは数cm全幅を広げております。

かろうじて残っていた『Wind Ward』ラベル。

ここはRAINBOW COUNTRYの『California』ラベルが取り付けられます。
通常別注アイテムは『California』白ラベルを取り付けるところですが
既存のパターンの革変えでは無いので、黒ラベルにしてみました。

MUSHMANSタグはライニングに取り付けます。
もしかすると、製品版のMUSHMANSラベルデザインが変わるかもしれません。
予めご了承下さいませ。
ここまで、ディテールに関してご説明させていただきました。
今回初のレプリカ企画ではございますが、関係各社のご協力によって素晴らしい仕上がりとなりました。
ヒューマニズムにスポットを当て、『着心地が良く快適なカジュアルファッション』の再現。
まさに狙い通りの着心地とスタイルを実現いたしました。
御試着いただければ解ります、非常に素晴らしい仕上がりです。
サイズ設定は36〜42の4サイズ。その他サイズをご希望のお客様はお問い合わせ下さいませ。
基となったヴィンテージと今回のモデルは、共にMUSHMANS店舗に展示しております。
サンプルサイズは38ですので、気に入っていただけたお客様は是非一度御試着下さいませ

それでは、次回ブログでレザーマテリアルについてのご説明をさせていただきます。



