【BADALASSI CARLO s.r.l 】とは。

BADALASSI CARLO s.r.l 】とは。

イタリア トスカーナ州フィレンツェから凡そ50kmのピサ県でBADALASSI CARLO社は操業している。

人口密度もそれほど多くなく、風光明媚な街並みが続く長閑なその町で、我々が愛するレザーが作り出されているのだ。

その町一帯は皮革製造会社が軒を連ねる場所として栄えており、TEMPESTI社やWalpier社といった普段私達が好んで手にするレザーマテリアルを生み出すタンナーが、車で10分圏内という立地で操業している革のメッカ。
 

 

BADALASSI社の創業は1960年代という事で50年程の歴史ではあるものの、ここで生み出されるレザー(牛革)には1000年以上の歴史に基づいた製法が伝承されている。

トスカーナ地方に古来から伝承する"Vacchetta/バケッタ"製法は、この地区に5000以上あるタンナーの中でも数社しか再現出来ないとされ、その中でも、このBADALASSI CARLO社は古のバケッタ製法を極めて高い次元で再現しているタンナーだ。

それは、BADALASSI CARLO社の創業者"Carlo・Badalassi氏"の長年培った研究の結果。

Carlo・Badalassi氏は製革学校の研究者であり教師であったことによってトスカーナに伝承される古のバケッタ製法、古来からのバケッタ製法を日々追及し、それによって得た知識をBADALASSI CARLO創業時に用いた。
 

 

では、バケッタ製法というのは何なのか?という疑問に行き当たる。

レザー愛好家の方々には"バケッタレザー"という響きはよく耳にするものだと思うのだが、バケッタレザーとBADALASSI社のお家芸であるバケッタ製法には違いがあるのだ。
 

まず、よく耳にするバケッタレザーというのは主にトスカーナ州で製造されるベジタブルタンニン鞣しによる皮革を総称した名称。このトスカーナ州では前述したとおり5000社にも及ぶ大小のタンナーが存在しているが、その多くが植物性の油や魚油を使用して加脂する製法を用いる。

これにはメリットがあり、革に浸透しやすくコストも比較的安価、完成までの時間とコストを抑える事ができる。

もちろん各社独自のレシピに基き製造され、沢山の良質なレザーは存在する。

 

一方、BADALASSI社のバケッタ製法というのは、動物性の脂(牛脚油)をベースとしたものが使用される。

勿論、それ以外にも様々な配合がなされてレシピが成立して(企業秘密)いるのだが、この動物性の脂というのは革に浸透し難い特性を持っており、さらにコストも植物性油に比べると高価。 先に紹介した一般的なバケッタレザーで使用される加脂方法に比べると時間もコストも高いという事になるのだ。

ただ、やはりここではコストや手間とは異なるメリットが多く存在する。コスト高で手間も暇もかかる動物性の脂であるが、一旦革に浸透すると油分が抜け難いという特性を持っているという事。
 

「BADALASSIのレザーは十年経ってもオイル感が変わらない。」MUSHMANS創業当初に販売した製品をお持ちの顧客様から、最近このようなお声をいただくのだが、オイル抜けが起きにくい、これこそがBADALASSIレザーの真骨頂。
 

 

また、バケッタ製法で用いられる動物性の脂は経年変化にも大きな影響を与える。

BADALASSI社のレザーは大きな経年変化が魅力のひとつで、新品時鮮やかな発色であったものが時間の経過と共に落ち着いた発色へと移行する。 重厚なエイジングと言われる所以がここだ。
 

私の感覚としては、植物系の油によって加脂されているレザーマテリアル(例:ワルピエ/ドラーロ)等は、比較的新品時の発色はそのままにアッサリとした経年変化となる傾向にあると感じる。 製品としてはその方が合っている場合もあるので、良い悪いの議論は必要無いのだが、BADALASSIに代表されるバケッタ製法(動物系の脂で加脂されている革)は茶色味が強く影響してくる傾向が強い。

我々が製品化するアイテムは重厚な物が多い為、製品とマテリアルのバランスが非常に良いという事に至るのだ。
 

 

経年変化という部分で我々が重要視するのは、発色の経年だけには留まらない。それは革が帯びる"光沢感"も重要なファクターだ。

前述した通り、牛脚油をベースとした加脂剤を使用して加脂されるバケッタ製法はオイルがしっかりと革に浸透している。

それが影響し着込む程に光沢が増して行くのを如実に体感できる。

BADALASSI社のマテリアルを使用した、レザージャケットやブーツ等を身につけられた事がある方にはルーティンなのであるが、着用し動作した時の『ギリギリ』といった音、これこそが後に光沢感を生むひとつの要素。

浸透した油分は革表面にも定着しており、皺となった部分は革の表面と革の表面が擦れる時に、その油分によって若干グリップしている。この時の音こそが着用時の"革鳴き"といわれる独特のサウンドなのだ。

この"革鳴き"の現象時に革同士が擦れあう事で、革表面に定着したオイル分が磨かれ、革の表面がフラットになる事で光沢が生まれるという事になり。 使い込めば使い込む程に自然な光沢が生まれるのは、こういった事が影響しているからに他ならない。

 

 

 

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