2026-27FW "MUSHMANS Leather" Custom Order Exhibition 【CYCLECHAMP-χ-】について。
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皆様こんにちは!!MUSHMANS代表の藤田です!!
新作が増えるたびに、このブログも項数が増えていくわけで、今年の受注会に関しましてもかなりのボリュームになっております。
毎年オーダーいただく皆様や、既にモデルの詳細についてご存じのお客様には少々煩わしいかもしれませんが、改めて読み返していただくと、気づいていなかったディテールや、見落としていた拘りポイントを再発見できることもあると思います、お時間が許すようでしたら、ぜひ就寝前のひと時にでもご一読いただけたら嬉しいです。
とはいえ、本日の記事は新作モデルのご案内!
しかも、再販の要望がとても多かったCYCLECHAMPモデルのフルモデルチェンジという事で、オンラインショップ掲載後から多くのお問い合わせをいただき、すでに試着にご来店くださるお客様も多い新作のご案内。
それでは始めましょう!!

MUSHMANS Leather
2026-27 FW
Leather Jacket Collection
Custom Order Exhibition
開催日程:2026年2月11日(建国記念日)~2026年3月29日(日)
※受注会初日2月11日は水曜日ですが営業いたします。※
※期間中の水曜日は定休日の為、日程に含まれません。※
※2月23日(月)~2月28日(土)は臨時休業となります。※
※期間内に生産限界数に達した場合は早期終了する場合があります。※

Part8
50’s Style Double Riders Jacket
【CYCLECHAMP-χ-】
2016年、米HD社の代表的なレザージャケットモデル【CYCLECHAMP】のリプロダクションを実施し、多くのカスタマーから好評いただいたモデルを、現時点での“究極”を注ぎ込み、再びゼロベースでパターンを構築。
10年の歳月を経過し様々な事が変化した今、私達は原点に立ち返り、ゼロベースでCYCLECHAMPモデルの再構築を進めてきた。
今ここに完成したCYCLECHAMPは、10年前のリプロダクションを凌駕し、より張り詰めた雰囲気を纏う一着へ。
50年代当時の空気感を残しつつも、よりジャケットとして洗練された正常進化を体感していただきたい。

MUSHMANS Leather
2026-27FW
50’s Style Double Riders Jacket
CYCLECHAMP-χ-
1945年にスタートした米HD社のCYCLECHAMPシリーズのセカンドモデル。
通称CYCLECHAMP 2ndと呼ばれるモデルを、MUSHMANS Leather的観点からリプロダクション。
50年代の贅を尽くしたダブルライダースモデルを、より着用感良くスタイリッシュに仕上げたスペシャルなモデル。
カスタムベースプライス・・・298,000(327,800)
※画像の襟ムートンはオプション※

↑こちらは当社で所有するCYCLECHAMPモデルのヴィンテージ。
襟ボアは欠品し、ウエストベルトは前オーナーによって切断されているが、当時のオーラはひしひしと伝わってくる。
60年代~70年代に入ると、大量生産の波が押し寄せ、HD社のレザージャケットも多分に漏れずそうなる。
この年代の作り込みと、60年代以降の作り込みは全くの別物。
また、各部に埋め込まれる4連スタッズの存在もこのモデルの象徴と言え、その雰囲気を盛り上げている。

1956年に発行されたHARLEY DAVIDSON会員誌 「THE Enthusiast」にて、エルビス・プレスリーが着用し表紙を飾った事でも有名なモデル。
それがCYCLECHAMP 2nd。

今作に関しては、より当時物のディテールを再現しつつも、シルエットは現代的なスタイリッシュさを求めて再構築した。
これまでの経験値をもとに、レザージャケットに対して"最も男たちが惹かれる"ポイントを割り出し、野暮ったさとスタイリッシュさを両立させた完成形と言えるモデルの構築。
ただレプリカするのではなく、装束としての本来の価値をも追及したものである。


また、このモデルの特徴は背面のディテールにもある。
贅沢にも、後ろ身頃は剥ぎ無しの一枚物で仕立てられている。
ヴィンテージ等に用いられるレザーマテリアルの場合、ピグメント(顔料)仕上げの革を使用する為、このようなディテールを採用してもある程度我慢出来るであろうが、我々は基本的にアニリン(染料)仕上げの革を使用する。
この場合(アニリンの場合)、革に刻まれている生体傷を隠す事が出来ない為、こういった一枚革ディテールであると歩留りが非常に悪くなる。
故に、一着に対して使用する革の量が多くなり、価格に跳ね返ってくるというジレンマがある。
可能な限り現実的なプライスを維持しつつ、上質で薄化粧のマテリアルを使用するという相反する要素を両立させるのは非常に難解であった。

CYCLECHAMP 2ndは、2ndの中でも年代によって異なる部分がある。
特にこのDポケのデザインは、個体によってさまざまな形状が確認できる。
MUSHMANS Leatherが保有するヴィンテージのCYCLECHAMPは、2ndモデルの中でも最もバランスの良い形状で作られたモデルから再現している。
発売当初から、他社のレプリカモデルと比べてポケット形状のデザインが良いという評価を得ているが、それはどの年代のモデルを再現しているかで異なるのだと思われる。


また、使用されるスタッズも同様だ。
3連スタッズが用いられているモデルがあったりもするが、この4連スタッズがボールサイズ的にも最もバランスが良いように感じるのは私だけではないだろう。
MUSHMANS Leatherで2016年から数年間、このCYCLECHAMPを生産していたのだが、この4連スタッズが底をついたため、休止する事となった。
再リリースの要望が非常に多かったのであるが、このスタッズが無い為にその要望に応える事が出来なかったという事実もある。
今回、このスタッズを米国で製作する事が実現した為、CYCLECHAMP-χ-を企画する事が出来るようになったのだ。




サンプルでは襟ボアを装着して撮影したが、このムートン製の着脱式襟ボアは今回オプションとして設定した。
これが付く事で男らしさを盛り上げる事が出来るが、一切使用しないという方のお声もあった。
取りつける事が無いというのであれば、それは勿体ないからして、これは選択できるよう配慮した。


これまでのMUSHMANS Leather CYCLECHAMPは、アームホールが太く、着丈も短いヴィンテージ仕様のシルエットであった。
今作CYCLECHAMP-χ-では、よりスマートでスタイリッシュさを引き出す為に、不要な部分は全てそぎ落としている。
しかしながら、この10年の正常進化は伊達ではない。
無駄をそぎ落として、スマート化しているにもかかわらず、着用感は格段に良くなっている。
パターンというのは、ユルく作れば動き易いというものではない。という事を改めて実感した。
旧モデルを所有している方は、是非一度着比べてみて欲しい。
MUSHMANS Leatherの進化を実感していただける事であろう。


ウエストベルトに関しては、今作からは当時物同様のボディーに挟み込まれている仕様で製作した。
しかしながら、ベルトを抜いて着用したいという方の為に、抜き差しが出来るよう一本物で製作する事も可能である。
腰部一本ベルト仕様・・・+15,000(16,500)

ライニングに関しては、Grizzly Jacket ”GAFFER"でも使用している、ハイテクキルティング(GOLD)を標準装備。
’TORAY’ sunstate2 ULSS(ウルトラスーパーソフト)タイプ
一般的な中綿と比較して超極細繊維を使用しているため熱伝導性が低く、いったん取り込んだ熱を逃しにくいという空気の性質を利用した中綿。
同じ厚さで比較した場合、ダウンの2倍にも及ぶ暖かさを持つ中綿である。
これによって、着心地は損なわずに暖かさを引き出す事が叶っている。

内ポケの仕様は、ライニングにキルティングを使用している関係で、ボディーで使用するレザーと同素材のポケット口となる。
これは、オーダー時にキルティングを使用しない場合、DAREDEVILと同様の仕様を選ぶ事も可能。なるべくスッキリと着用したいという場合の選択肢である。

袖口はライダースらしいロングジッパー仕様。
※画像のサンプルからの修正点※
・腰回り寸法を一周で2.0cm詰める。(▲2.0cm)
・画像のサンプルでは各部ジッパー見せ仕様で製作したが、これは各部ジッパー被せ仕様へと変更する。
これは所有するヴィンテージ個体や世界各国のヴィンテージ画像を確認したところ、ジッパー被せ仕様で製作しているものの、日本製のようにしっかりとジッパーに被せられていない事で、ジッパー被せなのか?ジッパー見せ仕様なのかが微妙であった。それらをもとにした総合的な見解として、完全にジッパーが隠れない程度まで、ジッパーに革を被せる事で、当時の仕様と同様になると判断した。

それでは着用感を。
画像の人物はサイズ38を着用。
旧CYCLECHAMPと比べ、平置き寸法上では少し大き目にパターンメイキングしているものの、着てみると見た目にはスッキリとさせているのがポイント。
いつも思う事だが、平置き寸法というのはあくまで目安であって、シルエットというものは、その数値だけでは計り知れないものなんだな。と改めて知る事となる。
バイクでもクルマでもそうだが、エンジンパワーのスペックやトルク、また車重や、装着されている各部パーツやホイールベース長だけの情報では、真のマシンスペックを知る事は出来ないのと同様だ。乗ってみて初めて本当の性能というものを知る事となるものだ。
先にも述べたが、腰回りだけは少々フィット感に欠けると感じた為、本生産時のパターンでは一周で2.0cm小さくする。
男らしいシルエットを踏襲しつつも、しっかりとフィットさせ、尚且つ動き易い。
先代のCYCLECHAMPの性能から大幅な向上を図っている。

こちらは背面の着用感。
後方からの視点でご理解いただけるのが、先述した腰回りのフィット感の希薄さである。
裾末端の一周寸法を縮小する事で、より腰で着る事が出来るようになる為の修正だ。
また、この修正によって若干着丈が短くなったように見える事だろう。
やはりこのCYCLECHAMP-χ-は背面の雰囲気が秀逸だ。
これは、背面パーツが贅沢な一枚革仕様となっている事が大きなファクターであると感じる。
これから着用回数を重ねる事で、この背面のマテリアルに皴が入り、より味わい深い経年変化となる事だろう。

ここまでは、オプションの襟ボアを装着した状態で撮影したが、襟ボア無しでの着用感をご覧いただきたい。
このシンプルな状態も非常に美しいのが、CYCLECHAMP-χ-の魅力である。
勿論、好みや体形に合わせたサイズカスタムも可能。
☆袖丈調整+9,500(10,450)
☆袖幅変更+8,000(8,800)
☆袖丈+袖幅同時修正+13,000(14,300)
☆着丈修正+11,000〜(12,100〜)
☆身幅修正+13,000〜(14,300〜)
☆肩幅修正+9,000〜(9,900〜)

MUSHMANS Leather
2026-27FW
50’s Style Double Riders Jacket
CYCLECHAMP-χ-
このCYCLECHAMP-χ-、プライスの設定には大いに悩んだ。。
MUSHMANS Leatherの代表的存在であるDAREDEVIL-χ-と比べて、58,000円高い設定となってしまった。
何故こうなったのか?しっかりと事実を説明しておきたい。
まず、DAREDEVIL-χ-ではオプション設定(+34,000)となっているウエストベルトが標準装備されている。
次に、各部に12個の米国製スタッズが装着される。これはパーツ代だけではなく手間もかかる。
続いて、通常のジッパーに比べ高価なチェーンジッパーが4か所に配置される。
そして、エポレットが取付られ、ボディライニングにはハイテクキルティングを標準装備。
最後に最も大きなファクターである、背面一枚レザー仕様となる事で、DAREDEVILに比べて2割増しの革用尺が必要となる。
細かい事を記述すれば、これだけに留まらないのであるが、上記の理由から考えると+58,000円という価格設定はかなり頑張ったな。と手前味噌であるがお伝えしておきたい。
今回CYCLECHAMP-χ-のサンプルでは、MUSHMANSでは代表的なマテリアル【BADALASSI社 Nappa Lux "NERO"】を使用したが、これ以外にも様々な選択肢を用意している。
当時物のヴィンテージではホースハイドが使用されているから、それに準じてホースハイドを選ぶも良し。(今期は午年だからなのか?新たな馬革ラインアップが豊富)
いやいや、素材感重視でBADALASSIにするのか?はたまた新たなイタリアンレザーを選ぶのか?
悩みが尽きないのも、オーダーメイドの楽しみである。
当時の物をリスペクトし、現代に蘇らせる。
その行為は、常に危うさを孕む。
ただ写すだけなら、それは模倣に過ぎない。
時代を超える“装束”へ昇華し、価値を更新する。
それこそ、我々がなすべき仕事なのである。
Part 9 過去のカスタムオーダー事例集【DAREDEVIL-χ-】編 へ進む→

