MUSHMANS 10th Anniversary Tour "Get your kicks on Route66" [Episode-5]-Dream/夢
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[Episode-5]
Dream
〜夢〜
2019年7月9日 AM6:00(現地時間)

そこにあったのは涙が出るほど美しい朝だった。
青色の空に朝焼けのオレンジ色が混ざり紫色へ。
発色のコントラストが日本とは違う。
これを見るだけで、頭が完全に覚醒するのがわかる。
昨晩、限界までリアルタイムブログを作ろうと頑張ったが諦めた、遊んでいるとはいえ疲労は確実に身体を蝕んでいたんだ。
ディナー&宴会の後、まだ飲み足りなくてホテルのロビーで遅くまで飲んでたような記憶もある。
まだまだ序盤(中盤?)という事もあって、テンションは高いものの、慣れない環境のせいもありメンバーの疲労感は顔に出ていた。
特にメンバー随一の優男を自称する加地氏は既に限界感が漂っているのも気になるものであったが、まあだからと言って何が出来る訳でもないので、見て見ぬふりをした(笑)

朝焼け発色とマックのイエローが絶妙。

この日の行程。
まだ序盤と思っていたら、もうここまで来てしまっている。
弾丸ツアーならではの距離の飛び方は恐ろしいもので、走行開始3日目にして折り返し地点を通過する事になる。
オクラホマ州からテキサス州に入り、さらにニューメキシコ州に入ったところまでが本日の行程。3つの州を跨ぐという中々ハードな工程だ。
この日はスタートから一時間も走らずにオクラホマシティを通過する、オクラホマ最大の都市という事でトラフィックも考えられるので、全員がバラバラになる可能性がある為、各自ある程度道順が頭に入っていないとならない。
スタート前に入念なブリーフィングを行って出発となった。


巨大な風力発電の風車が並び、美しく晴れ渡った空。
長閑な始まりに見えるものの、俺は生きた心地がしない状態だった。
写真も動画も無いので説明ができないのだが、地獄のドライバー加地氏による神風ドライブが披露されたこの日のスタート。
今思い出してもゾクゾクが止まらない、そんな幕開けだった。
それにしても、あの神風アタックを避けてくれたアメリカ人ドライバーには感謝しかない。あの反射神経の良さ、INDY500を二度も制した佐藤琢磨選手だったのではないか?

気を取り直して、長閑な風景に身を委ねる。
次第に委縮した神経が解きほぐされるのを感じる。ダストボウルだけを想像しており過酷なイメージが強かったオクラホマであったが、これだけ長閑で気持ちの良いところだったとは。。
二ヶ月位休暇を取ってオクラホマをブラブラしたいなぁ、、って本気で思う。

しばらく走ると、本日一箇所目の立ち寄りポイントに到着。
比較的新しいルート66ミュージアム。
説明は以上。
何しろこの日は色々とやる事満載の為、こういう時間の掛かるミュージアム内を見て廻る時間がとにかく無い。

時間は無いが、こういった写真だけは撮っておく(笑)

俺を含め表情が硬い感じであるのは、やはり神風アタックの余韻が尾を引いているからなのか(笑)

いよいよオクラホマ州も終盤を迎え、州境の街"Elick"に到着。
がしかし、トレーディングポストにしては様子が違う。
若干永田氏がニヤけている感じがするのも気になるところだが、ちょっと覗いてみよう。↓

様々な年代のROUTE66サインを中心に、アンティークサインが貼られている。
店内が見えないので、ちょっとビビる。
今のMUSHMANSに初めて来店されるお客様の気持ちが、まさにこの感じなんだなと思う訳だ。

物凄い物量の雑貨?アンティーク?・・・?ゴミ?じゃないよな。
しかも絵に描いたような[アメリカの伝統的な田舎町のオジサン]って感じの店主現る。
『ここに置いてある物は全部売り物だぜ!HA HA HA!』的な事を言っているのだが、プライスタグは一切付いていない。
良く解らないが、その逆を意味しているアメリカンジョークなのかと思う。。
と、狐につままれたような表情でメンバー全員は顔を見合わせ、俺はいたたまれなくなって店の外で一服していると、店主が現れオマエも来い!って。
中に入ってみると、メンバー全員何故か椅子に座らされている・・・。
『完全に絡まれてんじゃん。。』最初はそう思った。

こりゃ、何かが始まってしまう予感しかない。

初期のROUTE66サインを持たせてくれた。
これ売ってくれるの?って聞いたけどフル無視のオジサン。
画像でも解る通り、めちゃくちゃ忙しく立ち回っている。
店内には我々一行しかいないのだが。

菅井氏指名で、ここに立たされる。
何をされるのかワクワクしていたら、ただ記念撮影させられたのみで終わる。
訳が分からな過ぎて面白くなってきた!
そんな事をしていると、突然の爆発音。
何が起きたのか?と思ってオジサンを見ると、電源が入りっぱなしのギターアンプにシールドをぶち込んでいた。
そういえば、マイクスタンドがあったなぁ。。。
まさか!!

やっぱり始まるショータイム!!
予習無しで入ってしまった為、最初はただただファンキーなオッサンに絡まれたような気がしていたものの、この数分で俺たちはこのオジサンに心を許していた。
なんかこう、味わい深い人間力を感じたんだと思う。
正直に言うと、俺はこの手の白人アメリカ人が恐い。『ジャップが何しに来た!』って言って鉛玉をくらう気がしてならないからだ。
日本人に対して偏見を持っている。という俺の偏見だ。これも良い事ではないのだが、そういった用心が無いと本当に危険な事が起こるのもアメリカだと思っている。
ただ、このオジサンは友愛の精神しかない。ナイスガイだ。
キレッキレの"Get your kicks on Route66"を本気で演ってくれたオジサン。
この年、Fuji Rockに行けない事になっていたので、しっかりここで大声も出しておいた(笑)

さてさて、一連のイヴェントが終了すると、オジサンからガラス製の壺を手渡された。
なるほど、ここでギャラの支払いをするというシステムなのか。
もうちょっと間接的に、例えばギター弾きながら近寄ってきて、オーバーオールのポケットに入れてくれ感とか出すのかな?と思っていたが、ノリノリで一曲歌いあげたから、どういう仕組みなのか測りかねていたのだが。。こう直接的だと逆に気持ちが良い(笑)

最後は店の外で記念撮影!!
なんだかんだで、物凄く楽しんでしまった訳で、今となってはもっと壺の中に入れておけばよかったと後悔しているんだ。
帰り際に彼とFacebookを交換して別れたのだが、その後彼について色々と調べてみると、オクラホマ州でのROUTE66ツーリストにとって相当な有名人である事がわかった。
子供にも人気のある、あのクルマとROUTE66を題材にしたアニメーション映画、それに登場するキャラクターのレッカー車は彼からインスピレーションを得て作られたと言われている。
Harley Russel氏
あれから一年経って、こんな状況になってしまった。
彼は毎日Facebookを更新しているから、元気なんだろうと思うんだけど、どうにか元気に乗り切って欲しい。
また会いたいな。

Sandhill Curiosity Shopにてアメリカの魅力に触れた俺達は、いよいよ夢の地に足を踏み入れる段階にまで来ていた。

オクラホマ州の最終地点、テキサス州との州境の街"TEXOLA/テクソラ"だ。
1900年代初頭は"Texokla"とも呼ばれていたらしく、(TEXAS+OKLAHOMA)÷2な名称が面白い。

Route66に変わってハイウェイI-40が完成した事で、それまで栄えていた町は一変してゴーストタウンと化した。
本当に、何も無いと言っても過言では無い街並み。
先ほどのSandhill Curiosity Shopでトイレを借りようとした菅井氏であったが、ドアの無い開放的な構造(笑)であった為に断念。
テキサスに入る前に何処かでトイレを借りようって言っていたのだが、あまりにも何も無い町に突入してしまった。。
それでも何とか飲食店を発見。
こういう事態でなければ、なかなかに入り辛い地元民御用達の店っぽいところ。
快くトイレを貸してくれた店主であったが、日本人の入店に驚いている様子だった。
何も買わずに出るのも失礼なので、冷やしてあったルートビアを売ってもらった。
※↑ルートビアで乾杯の様子。※

Route66ロゴの入った『地ルートビア』をTEXOLAで飲む贅沢。
クソまずい。
テキサスを目前にして、気温が一気に上昇してきているように感じる、カラカラに乾いた身体に対して、このキレの無いルートビアは中々に過酷なものだ。

道端でしばし雑談の様子。
何でも無いところで、こうやって雑談する瞬間、これこそ本当に有意義な時間に感じる。
この旅で、これまでも、そしてこれからも様々な素晴らしい景色やシーンに出会った。それは本当に有意義であったけれども、こういった瞬間もそれらに匹敵する程に贅沢な時間であったといえるだろう。
さあ行こう。
夢にまで見たTEXASの地へ。

2019年7月9日 PM0:30(現地時間)
アメリカと言って思い浮かぶ州は?そんな質問をすると様々な答えが返ってくる。
ニューヨークと言う人がいれば、カリフォルニアと言う人もいる、アリゾナとかニューメキシコとか、その人にとってのアメリカは様々なのだと思う。
俺にとって、アメリカと言えばテキサスだ。
何故なのかはわからない、でも、アメリカという単語から即座に頭に浮かぶのがテキサスの風景だった。
そう、アメリカと言えばテキサス、でもテキサスに行った事は無かった。
いつも思い浮かぶのは、何らかの映画で見たであろう風景や、書籍に乗っていた写真の風景。
この、Route66上の州境"TEXAS STATE LINE"の看板、これも思い浮かぶ代表的な風景だった。
何も無い、本当に何も無い道に、STATE LINEのサインだけが見えてくる。
想像していたものよりも壮大だったりも矮小だったりもしない。
思っていた通りに空は青く、思っていた通りに何も無く、ただただアメリカがそこにあった。
長年に渡って、色々と想像したテキサス。
まさに今そこに居るという事が、何というか現実感が無いというか。
夢を見ているかのような
そんな感じだった。
白昼夢
まさにそれだった。

お決まりのやつ。
オクラホマから↓

テキサスへ。

空はただ青く。
この白昼夢は続いて行く。

ここから先は急がなければならない。
まだまだやる事は満載なうえに、今日の目的地まであと200マイル(300km)以上あるからだ。
とはいえ、象徴的なところには立ち寄らずにはいられない。
Shamrock "Tower Station&motel U-Drop Inn Cafe"
一度は何らかの写真でご覧になった方も多いかもしれない、テキサスにおけるROUTE66の象徴的な建築物として有名なスポット。
1997年には米国国立史跡として登録されており、1930年代特有のアールデコ建築様式を現代まで残している。
これにも出て来てますから、結構幅広い年齢層の方が見たことのある建築物なんじゃないかな?


Shamrock "Tower Station&motel U-Drop Inn Cafe" では店番のおばあさん達と談笑したりと、結構時間を要してしまった。
続いてのスポットまでワープするべく、I-40を使って一気に移動。

2019年7月9日 PM1:30(現地時間)
お!見えてきた!!
あれあれ!
わかる?

おー!ちゃんと傾いてる!
これ、テキサスのGroom(グルーム)という小さな町の東、I-40をExit114で降りて少し走ると見えてくる。
何も無い雄大な牧草地に突然出現する傾斜した給水塔。
この傾いた給水塔、かつてこの地で営業していた『ブリテン・トラック・ストップ』(ドライブイン的なもの)のオーナーであったラルフ・ブリテン氏がレファーズという町で実際に使われていた給水塔を買い取って、このトラック・ストップの看板として移設したもの。
まず給水塔を買い取って看板にするという事自体がアメリカ的な訳だが、この傾斜、実はわざと目を惹くように傾けて設置したというから、さらにアメリカ的な発想で面白すぎる。
重心が傾いている右側にかかるように、給水タンクの水量も計算されているらしく(ホントかよ)、重心が右側の脚にかかるようにしているそうな(笑)
現在では『ブリテン・トラック・ストップ』は火事によって消失(折角給水塔があるのに・・)、その後この給水塔だけが残されており、この奇妙な傾斜給水塔はROUTE66ツーリストのフォトジェニックポイントとして愛されている。

そんなLeaning Tower of Texasであるが、我々がこのツアーに出かける前に回し読みしたガイド本の裏表紙にデカデカと掲載されていたポイントであった。
シャムロックを出て、次はあの給水塔のところまで行こう!と行程の確認もした、I-40 Exit114を降りたらすぐに見えるという事も伝えていたにも関わず、加地氏を載せた斉藤君はこのポイントを完全にスルー。。。
しばらく走って後続が来ない事に気が付いた斉藤君は、何故かUターンする為に加地氏をその場に降ろし、再び加地氏を乗せる事なくこのポイントまで引き返して来た。
↑この画像、遠くから歩いて来るのが加地氏である。
とにかく目立つように給水塔を看板に、しかもさらに目立つように傾斜までさせたラルフ・ブリテン氏の思惑を完全にスルーしてしまうあたりが面白過ぎる。
しかもあんなに遠くで加地氏を降ろしておきながら、拾う事無く戻ってくる暴挙に、一同唖然とした珍事。
加地 未知男 当時42歳
MUSHMANS創業初年度に来店、以降様々なアドヴェンチャーに参加している。
最も思い出深いエピソードとしては、MUSHMANSを作ってから初めて実施したロングツーリング"第一回北海道アタック"に参加した加地氏、確か一緒に纏まった距離を走ったのもこの時が初めてであったと思う。
このアメリカツアーの様子を御覧いただくとご納得いただけるかと思うのだが、我々のツーリングはいつでも弾丸ツアーだ。
長い休暇が取れないというのも要因の一つなのであるが、初のロングツーリングも同様に、走りたい距離(行きたい所)に対して日数が明らかに少なくなってしまう。という事は、走りでカバーするという事になる訳であるが(スピードという事ではなく、走行する時間が長い)おそらく加地氏は想定していた走行距離の倍以上を一日に走る事になったであろう。
北海道に到着した初日の行程で、彼は完全に憔悴しきっていた。大人になってからここまであからさまに憔悴する人間を見たのが初めてだったから、俺は心底驚いたけれども、自分の計画に対する甘さを感じたものだ。
どうにか無事に?そのツアーは終了できたのであるが、おそらく加地氏はこういったツアーに二度と参加する事は無いだろうと思っていた。
しかしだ、それから7年から8年位の間、加地氏はこういった挑戦的なイヴェントに対する参加率が高い。
この7年から8年の間、特に技量が向上したようにも思えないが、都度辛い想いをしながらも参加するという事、これに対して俺は強い何かを感じる。この危険極まりないアメリカツアーにも参加表明した加地氏、その挑戦する姿勢には感服した。
誰に何を思われようとも『我が道を行く』そのメンタルの強さはこのメンバーの中でも随一のものであると言える。
時に人間は他人の目を気にするあまり、無理な事であっても周りに合わせようとしてしまう事があるだろう。それが危険な領域であってもやってしまうのであるが、それが仇となり足を踏み外す事も多々ある。それはバイクに乗る事だけではなく、人間が生きるうえで直面する様々な事に対して言える事だ。
自分の領域を知り、誰に何を思われようとも我が道を進める男こそ、この現代を生き抜く事ができるのかもしれない。
そういう人間になりたいか否かは別の話だが、強く生きる男の姿勢として、俺は加地氏の強さを羨望の眼差しで見ている事は確かだ。

そして、お決まりの記念撮影を完了して、目的達成。

2019年 7月9日 PM2:30(現地時間)
この日のランチの地に到着。
かなり昔に、某ジャニーズのタレントがRoute66を走る番組があった。
言うまでも無くそのタレントに対して全く思い入れは無いのだが、Route66を走ってみたい人間としては、その番組は面白かったように思えた。
だから、このツアー前にもう一度観てみたくなり、わざわざ数万円かけてその番組のDVDセットを買ってみた。
今になって観てみると、何とも軽薄な内容ではあるのだが、ちょっと行ってみたいなぁ、と興味をそそられるスポットも紹介されていた。
その中のひとつが、ここ。
The Big Texan Steak Ranch&Brewery
テキサス的というかアメリカ的な、超巨大なステーキに挑戦できる歴史的な有名店であるここ。
なんと72ozステーキに挑戦し、食べきれたら無料という、よくある危険が懸けができるお店だ。
72oz---凡そ2000g(2kg) という事であるから、危険でしかない。
俺は生まれてから胃袋の中に2kgの物を入れた事が無いので解らないが、人間はそれが可能な構造になっているのか?と疑問しかないが、こういった危険なチャレンジはやってみたくなるのは人間の常・・・。

さて、メニューを見ながら談笑。
にしては、少し緊張感のある画になっております。特に斉藤君の表情が硬い、、何故なのか?

あれ?斉藤君、何か書いているけど。

これが実際の宣戦布告状。
メンバー中最年少、さらには大食漢で知られる斉藤君。
我々を代表してアメリカとの戦いに挑む事となりました。
ニイタカヤマノボレ〇七〇九!

あれ?
日本代表斉藤君、72ozステーキが運ばれてくるのかと思いきや、なんとこの戦いにはステージ用意されているようで、我々とは別卓での戦いになるようです。
ベテランコーディネーター永田氏曰く「長年このツアーでここに来ているけど、日本人がここに座っているのは初めて見た(笑)」との事。
斉藤君、ここテキサスに日本人の名前を刻んでくれ!
あとは任せた!!

とうとう戦いの火蓋が切って落とされた。
隣ではテキサスのおばちゃん(審判)によって、不正が無いかを常に監視されている。
↑この画像に表示されているタイマー(最左)を御覧いただくと、このステーキをある程度のサイズに切り分けるだけで10分を要したようだ(笑)
残り49分!

向かいに座っている彼は、先にこの戦いに挑んでいた青年。
見た目からすると、完全に勝ち目が無いように見えるが・・・。
トラトラトラ。

この画は少し落ち着いた時の画像であるが、スタート直後は人だかりになっていた。
珍しいジャパニーズの挑戦は、地元アメリカ人にもウケが良かったのだろう。

アメリカとの戦いは斉藤君に任せて、我々はゆっくりとランチを楽しみましょう!
既にアメリカ食を克服した俺も、日本では考えられないオンスのステーキを普通に食べられるようになっていた。
しかも美味しいとすら感じるようになっている事に驚く。
がっつり走ったし、念願のテキサスだし、楽しいなぁ。
という平和な我々のテーブル。

食事を楽しんでると、おっさん現る。
Take Me Home, Country Roadsを一曲演ってカネをせびる。
つい何時間か前にも同じような事が。。(笑)
チェックのウエスタンシャツにテンガロンハット、白髭に小太りでGuildのアコースティック。
いやー、テキサスだなぁ。
どんなに上手いギタリストでも、この味わいは日本人には出せないよね。って事でヤツの思惑通り数ドルを握らせる。
楽しい。

肉食獣。 今見ても美味そう。

そして、戦場。
この瞬間タイムアウト!
白目をむく斉藤君。
ここテキサスの地で、我々日本人は完膚なきまでに叩きのめされた。
負けは負けなのだが、向いに座っていた屈強なアメリカ人の残量と斉藤君の残量を比べると、圧倒的な斉藤君の勝利ではあった。
画像や動画に残っていないのが残念なのだが、戦いを終えた斉藤君を我々が大声で囃し立てると、ホール中のアメリカ人は日本人が食べきったと勘違いしたようで(笑) 巨大なこの店のホールが拍手と喝采に包まれた(笑)
斉藤君も調子にのって「Thank you!!!!」的な声を発し、両手を挙げながら我々のテーブルに帰ってくる。
チェレンジ終了後、斉藤君が残したステーキを一口食べてみると・・・(笑)
我々が食べた肉質に比べるとパッサパサ、、こりゃあ辛いよね(笑)
いや〜、しかし楽しかった。
さて、大いに盛り上がったThe Big Texan Steak Ranch&Breweryであったが、既に時刻はPM4:00になってしまった。
この遊び方からすると、我々はテキサスに宿泊するように見えるだろうが、冒頭で掲載した通りニューメキシコ州にまで到達しなければならない。
これヤバイんじゃない?って思うよね。

でもね、行きたいところはまだまだあるの。
あ、見えてきたよ!

2019年7月9日 午後5:00(現地時間)
世界的にも有名なRoute66のパブリックアート。
やはりこれもアメリカ的発想が最高で、広大な土地にキャデラックを頭からブッ刺すという荒業。
1974年にテキサスの大富豪であり芸術家のスタンリー・マーシュ氏によって発案されたものだ。
↑画像のとおり、そのキャデラックは訪れる人々によって缶スプレーでラクガキされている訳なのだが、日々上書きされて行くそれもアートなんだという。
こういったアメリカ的発想が好きで仕方ない。

俺もやはり歴史的アートにMUSHMANSを刻みたかった。
よーく見てほしい、青字で描いた『MUSHMANS 10th NOVG』これから先何十年と、この上に上書きされて行くのであるが、それでもこの文字は残っている事になるのだ。
世界的なアートに参加できた気分になる。
さあ、そろそろ急がないと大変な事になりそうだ。
次はとうとうMidway Pointに向かう。
シカゴからサンタモニカまでのちょうど半分の地点に差し掛かっていたのだ。
さあ!行くぞ!
って喜び勇んで向かったのは良いが、バイク二台とはぐれてしまう。。。
30分〜40分でなんとか落ち合う事が出来たが、あれだけ見通しの良い何も無い道ではぐれると結構焦るものであった。

2019年 7月9日 午後6:40(現地時間)
まさにここが、この旅の中間地点となる。
何事も無く何とか無事に半分を走れた事に対する感慨もあったが、折り返してしまったという寂しさの方が強かった。
何年も前から計画したこのツアー、その半分を消化してしまった現実。
西に傾く太陽は優しさを発しながらも、哀愁を感じさせるものに見えてしまう。
何事にも始まりがあれば終わりがある、解ってはいても抗いたくなるものであった。

幾度となく、こういった写真を撮ったが、本当に良い思い出になる。
その時の心境、喜怒哀楽を鮮明に思い出す。
こういったハードなツアーならではの物と言えるだろう。
さあ、完全に時間がヤバくなってきた訳なのだが、こうやって余裕をくれているにも実は理由があった。
時差だ。
テキサスからニューメキシコへ入ると、1時間時計が戻る。
そう、今のテキサス時間は午後6:40であるが、ニューメキシコは午後5:40という事になるのだ。
と言っても、走行時間が一時間伸びるだけなのだが、この時差による精神的なアドバンテージがあった。
夢の地テキサス、もうテキサスともお別れだ。
たった数時間、それでも肌で感じたテキサスの風は、想像以上に気持ちの良いものであった。
次に来る時は牧場で馬にも乗りたいし、本場のウエスタンショップにも訪れたいと思っている。
まさに白昼夢のようなひと時、一瞬で過ぎ去ってしまうのもまた味わい深いものでもある。

陽は傾きつつあったが、まだまだ気持ちの良い青空に包まれていた。
折り返し地点を過ぎ、よりこの旅を大切に思う気持ちが強くなった。
数日後に向えてしまう、その終点を想像し、様々な想いが交錯する。
俺は今、終点に到達する事を寂しく思っているが、かつてこの道を西へ向かい移動し続けた人々がいた。
過酷な環境下、その旅の途中で息絶えた人々もいたであろう。
恵まれた時代に生まれた俺達。
それは、裏返せば人間力の弱さに直結するものである。
まともに舗装されていなかった時代のROUTE66。
快適な装備が一切無い時代のクルマ。
様々な事がまだ成熟していなかった時代に、強く生きた人々を想いながら、俺はニューメキシコの地への道のりを走っていた。
さあ、ニューメキシコ州へ入る!


その地には、その地の顔がある。
テキサスから一気に世界が変わったような、そんな感じであった。
また違った顔を見せ始める、アメリカの地。
俺達はニューメキシコを走っていた。

2019年 7月9日 PM8:00
長い一日が終わった。
地獄のドライバー加地氏によるヘルドライブから幕を開けたこの日。
今思い出しても、この日が最も長く感じた。
おそらく、色んな事を考えて脳も疲れていたんだと思う。
喜怒哀楽の全てがこの一日の中に凝縮されていた気もする。
Tucumcari Mountainを横目に、本日の乾杯も最高だった。

そんなこんなで終わる筈だったものの、最年長メンバー佐京氏が夕日に向かって走りたいと言い出す。
それなら俺がお供しますと言うしか無い。
実に気持ち良さそうに走る佐京氏。

今まさに沈まんとする太陽。

そして、沈んだ。

真っ赤に染まった空、風を切りながら戻ってくる俺達を待っていた斉藤君による一枚。
こういう写真って嬉しいよね。
仲間と共に旅をする醍醐味なのかもしれない。

さーて、飲みなおしますか!!

この日はランチの時間が遅かった事もあり、ディナーは近くのコンビニで軽食を買い込みモーテルで飲もうという事になった。
部屋の外に椅子を置き、ビール片手に馬鹿話。
さらにコンビニで買ったテキーラを回し飲みしながら、ニューメキシコでの夜が更けて行く。
こんなノリの夜もまた、最高の思い出となる夜だ。
さて、この画像で皆が注目している物が気になるところだろう。
コーディネーター永田氏は写真を撮っている。
↓

斉藤君曰く、この生き物は『枝蠍/エダサソリ』というらしい。
ニューメキシコに生息する枝に似たサソリであると、彼は真顔で語っていたが。。。
※ナナフシじゃないのだろうか?※
翌日この枝蠍によって起きる悲劇を、その時は誰も想像だにしていなかった。
夢のような一日。
夢ではない一日。
有限の中で生きるから
その一日が尊いものとなる。
無限に続くのではないかと思える
クソみたいな、そんな一日に出くわしたら
この時の事を思い出せば良いんだ。
夢のような、終わってほしくない一日であっても
平等にその日は終わってしまう。
ならば
クソみたいな一日も、平等に終わるという事。
毎日、本当は尊い一日を過している。
それを、感じられる日があったり無かったり。
人間は我儘な生き物だ。
死ぬまで生きろ!
どうせ終わっちまうんだから。
MUSHMANS 10th Anniversary Tour "Get your kicks on Route66"
[Episode-6] Ritual/儀式 へ続く

ツアーメンバー加地未知男氏が完全個人的に制作した素人動画です。
本編はDVD収録
[2枚組 収録時間1.5h程度 (長っ!!)]
欲しい方には差し上げます(笑) との事ですが
好評につき現在欠品中です。
機会がございましたら、再度製作いたしますので
一応ご希望の方がいらっしゃいましたら、お声がけ下さいませ。


