モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第三幕 十六章 出し縫い準備】
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皆様こんにちは、モヒカンです
本日は、
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』
第三幕 第十六章として、『出し縫い』を行う前の準備を行いました
まず始めに、前回の工程で荒断ちを行った本底を整えていきます
左右の靴の張り出し具合を見ながら、左右対称になるように慎重に決め断ちを行います。
始めに、大きく出っ張った部分を大まかにカットし、左右のバランスを見ながら少しづつ削り。
その後次の工程の『出し縫い』と呼ばれる、ウェルトと本底を縫製する為の縫製ラインをウェルトに描き込んでいきます
その後、更にそのラインから等しい幅になるように再度削っていきます
一足目&二足目で左右非対称の靴を作ってしまった事が心残りであった僕…
今回はそのような事が無いようにと慎重に作業を進めていきました
革包丁を使って大まかに削り、ヤスリを使って微調整。
左右のバランスを見て…
バランスが良くない所を更に削り…
バランスを見て…
削って…
見て…
削って…
これを繰り返し、左右の合った靴になるように、
精度を高めるようにと整えていきます
そして調整し終えたのがコチラです

ちょっと分かり辛い画像になってしまいましたが…
左右のバランスを整えたウェルト幅になりました
このウェルト幅ひとつで靴の全体的な印象が変わってきます
靴の雑誌等を見ていると、コバの張っている靴は全体的に荒々しく無骨な印象を与えるのに対し、コバの張り出しが少ない靴はスマートで繊細なデザインの靴が多いように感じます。
しかし、用途に合わせ進化を遂げてきた靴達は、現在はデザインとして見られているバランスも、その進化の過程でそのような形になったのだと思うと、一概に言えない部分が多くとても考えられているなと感じました
コバの張り出しが大きいと…
張り出しが少ないと…
見た目の印象もそうですが、履き心地も確実に変わってくると思うので、今後はその事も考えながら作製していきたいと思いました
そして、次に『出し縫い』を行う為に必要となる溝を本底底面部に作製していきます。
『ドブ起こし』と呼ばれるこの工程は、本底とウェルトを縫製する為の『出し糸』を隠すことにより、歩行によって糸が擦れて切れてしまうのを防ぐ工程になります

ドブ起こしを行う為に、起こす部分に斜めに切れ込みを入れていきます
この切れ込みが難しく、角度が浅いと革が切れ易く、角度が深いときちんとしたドブを掘ることが出来なくなってしまいます

慎重に角度を決め切れ込みを入れたら、次に起こした部分をめくり上げ、出し糸を隠し込む部分を出していきます。
切れ込みを入れただけなので、革を捲り上げるのは難しい為、目打ち等の尖った道具を用いて捲っていきます

捲くり上げたドブに出し糸を隠す事が出来るように、糸の太さ分中を空洞にしていきます。
『ガリ』と呼ばれる鉄製の耳かきのような形状の道具を用いて、
ガリッ…
ガリッ…ガリッ…
ガリッ…ガリッ…ガリッ…
と、道具の名前を連呼するかのようにガリガリしていきます
溝を掘って、ガリガリガリガリし終えたのがコチラになります

切れ込みを入れた部分から溝を掘り、ガリガリすることで、このような出し糸を潜り込ませるドブを掘る事が出来ました
この部分に穴を開け、縫製する事で歩行時に糸を擦って切れてしまうといった最悪の事態を防ぐ事が出来ます
しかも出し糸が表面に出てこない為、見た目にも綺麗なものとなる…はずです
後は僕の腕次第ですね
そして、今回最後に縫製する為に必要な『しるし』をつけていきます。
今回初めにウェルト上にラインを引きましたが、その線上に等間隔でしるしをつけていきます
一足目では4.5mm幅で縫製。
二足目では4.0mm幅で縫製しましたが、今回はより無骨なイメージにするべく、一足目と同じく幅広の4.5mm幅間隔でしるしをつけていきました
今回はウェルトの幅やバランス等で靴の印象が大きく変わってくる事を学ぶ事が出来ました
次回は、このしるし上に穴をあけながらの縫製『出し縫い』となります
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【手縫いモカBOOTS編】
次回もよろしくお願いいたします


