モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕 四章 中物つめ〜縫製】
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皆様こんにちは、モヒカンです
本日より数日に渡り
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』
をお送りさせていただきますので、どうぞ宜しくお願い致します
第二幕 四章となる今回は、中物つめ〜縫製のご紹介です
前回までの章で大手術(ウエルト取り付け)を終えた、僕の二作品目となる靴達
非常に重要な工程を終え、さらにもう一歩完成に近づける作業を御覧いただきます。
今回の工程は、アッパーとソールの結合前にその緩衝材ともなる中物つめ作業です。
と色々と御説明をしたいところですが、とにかく作業を御覧下さい
始めに、余り革のカットを行います。
ここで余り革をカットする事で、本底貼り付け時に段差をなくし、また、今後の作業をスムーズに行う事が出来ます。
細長く裁断した革を、加工&縫製した中底部分に貼り付けていきます。
中底は縫製の為に段差をつけ、加工してあるので、このままでは履きこんだ際におかしな形で底が落ちてきてしまいます。
その為、細長く裁断した革で段差を埋めていきます。
見えない部分で小さな事かも知れませんが、このような小さな事が、数年履いた時に大きく影響してきます。
皆様も、よく耳にする事と思います。
『シャンク』を入れます。
この黒い板が『シャンク』と呼ばれる鉄板で、私たちの土踏まず部分をサポートしてくれる重要な役割を持っています。
それをハンマーを使い、中底に
這わせていきます。
『シャンク』がある事で、中底が必要以上に落ちたりするのを防ぎ、靴の形状も維持してくれるといった重要な役割を持っています。
最後にコルクを入れる事で、クッション性のある履き心地になり、履き込んでいった際に必要部分だけ中底が落ち自分に合った靴へと変化を遂げます。
ウェルト部と段差が出ないようにヤスリを使い削っていきます。
ここでは、前回縫製したウェルト部の糸にヤスリが当たらぬよう慎重に削っていきます。
糸を切ってしまうと、前回行った3時間以上の大手術が水の泡となってしまいます…
慎重にコルクを削り、慣らすとこのようになります。
画像では少し分かりづらいですが段差が無くなり、フラットな状態へとなりました。
こうして 中物つめを終え、本底を貼り付けていきます。
本底と本体を、まずは接着剤を使い貼り付けます。
この時、上下左右の出幅に注意し、貼り付けを行います。
もし、この時の接着で大きな誤差があると、これから行う作業時に左右で違った形状の靴となってしまうので誤差が出ないよう慎重に貼り付けを行います。
貼り付けが終わったら、縫製へと移ります。
今回は、完成した際に本底から糸が見えないよう『ドブ』と呼ばれる溝を起こして、その中で縫製を行います
糸が見えない事で、底部がシンプルになり、糸切れも起こりにくいといった利点があります。
この手法はドレスシューズで多く見られる手法です。
溝が出来たら、その中を縫製していきます。
縫製する為の穴をひとつづつ丁寧に開けていき、そこに糸を通し縫製していきます。
今回の本底の縫製は、前回の中底の縫製よりピッチ(縫製幅)が狭い為、数倍多く縫製します
前回は両足で3時間以上だった縫製も、今回は…。
だんだんと落ちてくる握力と戦いながら縫製していく事6時間以上…。
何とか、縫製が完了しました

縫製のピッチが細かい分、前回の中底とは比べ物にならない程多く縫製されています。
上から見るとこのような感じになります。
今回のピッチ幅でも十分細かいのですが、職人さんによっては、更に細かいピッチで縫製する方もいます。
ピッチ幅を大きくする事で荒々しさを演出し、細かくする事で、より繊細さを演出します。
ピッチ幅によっても靴の表情が変わってくる為、職人さん達はその靴の表情を見極め、ピッチ幅を調節していると言うことを学ぶ事が出来ました
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕】
次回はヒールを積み上げていく工程へとなります。
次回も、どうぞよろしくお願い致します


