モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕 五章 ヒール積み上げ加工】
←モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』を第一幕の始めから読む
←モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』を第二幕の始めから読む
←モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕四章中物つめ〜縫製】へ
皆様こんにちは、モヒカンです
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕】
連続2日目となります本日は、ヒールを積み上げていく工程となります。
前回ようやく靴らしいものとなりましたが、このペッタンコの状態では履く事が出来ない為、踵部にヒールを積み上げていきます。
まず最初に、左右のバランスを合わせるべく左右で良く見比べ踵の大きさを決めていきます。
ここで決める大きさで大まかな形が形成される為、より理想に近いものとなるようにしていきます。
左右のバランスで不一致な場所が出てきたらしるしを付け削っていきます。
より木型のラインが綺麗に出るよう、そして丸みを綺麗に出せるように注意を払いながら、少しづつ削っていきます。
右を削っては左を削って…
左を削っては右を削って…
少しづつ自分の理想のラインが出るまで整えていきます。
ヒールラインが出来たら、次に『木釘』と呼ばれる木製の釘を打ち込みます
穴を開け、木釘を埋め込み、ハンマーで叩いていきます。
強く叩きすぎると、内部で釘が折れてしまう為、適度な力で埋め込んでいきます。
木釘を一周埋め込むとこのような感じになります。
この木釘を打ち込む事により、踵部に縫製が無くして靴を作る事が可能となります。
次にヒールを積み上げる部分や大きさを計算式にて割り出し、より良い場所に積み上げる事が出来るようにします。
男性が履いている靴等では想像しにくいかと思いますが、女性が履くハイヒール等の靴できちんとした位置に重心が掛かるようになっていない場合、転倒の原因になったり、履き心地の悪いものとなったりしてしまう為、この位置はとても重要なものとなります。
位置が決まったらペンでしるしを付けておきます。
次に、しるしを付けた位置にヒールを積み上げていくのですが、今回の靴は一足目の靴で行った、『ダブル』と呼ばれる手法でウェルトを付けたのとは違い、ヒール部を除くウェルトの付け方『シングル』と呼ばれる手法を用いています。
この事により、踵やヒール部を小さく見せる事が出来る為、よりドレッシーさを出す事が出来ます。
しかし、踵にステッチが入らない分ダブルに比べヒール部にやや丸みを帯びた形状となります。
その為、今回は『ハチマキ』と呼ばれるパーツを作成し、ヒールを積み上げる際に平面になるよう調節していきます。
ヒールの大きさに応じて幅を決めカットした革を用意し丸みを帯びさせやすいように切れ込みを入れていきます。
はちまきの加工が終わったら最初に整えた踵のラインに合わせ接着していきます。
接着を終えたら、より平面になるように包丁で無駄な部分を落としていきます。
ヒール積み上げの際に一番下となる部分の為、あまり見られる事の無い部分ですが、この部分が一番重要になってきます。
この部分をきちんと処理しておく事により、後々の積み上げ時に平面になりやすくなる為作業時間の短縮や完成度の高さに繋がります。
僕もお店の靴や自分の靴を見て感じたのですが、メーカーさんそれぞれに積み上げの個性があり、全く違うものとなっております。
あるメーカーは最初のハチマキである程度調節していますが、違うメーカーでは2枚目3枚目の積み上げ時に調節していたりとそれぞれ違った個性を持っています。
これはヒールの高さによっても変わってくるので一概には言えないのですが、それぞれに違った見せ方があるように感じました。
ハチマキを取り付けたら、いよいよ積み上げ作業へと入ります。
ここからは一足目の第十一章でご紹介させていただいた作業同様に一枚づつ積み上げていきます。
積み上げたら平面になるよう包丁で削っていきます。
この作業を繰り返し、ヒールを積み上げていきます。
そして一枚積み上げ…
ハンマーで叩く
トントントン…?
もう一枚積み上げ…
トントントン…??
トントントン…
トントントン…
トントントンったらトントントン
はい
トントントントントントントぴー
・・・・・・・・・・
今回は真面目にやろうと思ったのですが、一足目で得た感覚を思い出し、結局このコールを頭の中でイメージしてしまいました…
結局あの人達はなんなのかはよくわかりませんが、テンポの良いこのリズムと僕の靴作りが妙なマッチをしてしまった為に、ハンマーを使う場面では常にこのコールが頭をよぎります…
それは、まぁよしとして、このようにしてヒールを積み上げた後は釘を打ち込み、ヒールをより強固なものとしていきます。
等間隔で釘穴を開け、そこに釘を打ち込んでいきます。
選ぶ釘の長さや打ち込みの強さに注意を払い打ち込みを行っていきます。
長すぎると中底まで釘が出てしまい、短すぎると、釘を打ち込む意味が無くなってしまいます。
特に今回は最初に木釘を打ち込んでいるので、打ち込み位置がかぶらないように注意を払います。
そして、最後に『化粧ヒール』を貼り付け、『化粧釘』を打ち込んでいきます。
先程の釘よりやや小ぶりの『化粧釘』を、歩行時に擦り減る部分にラバーを用いた『化粧ヒール』に打ち付けていきます。
このように『化粧』『化粧』と言うと、化粧好きなのかと思われますが、僕はどちらかというと薄化粧の方が好みです
代表「誰も思わねぇし、聞いてねぇよ
」
このようにして、最後の最後で我慢出来ずおちゃらけてしまいましたが、ヒールの積み上げが完成いたしました
完成後、よく見比べてみると左右で若干のばらつきがあるのが気になりました…
このばらつきを無くす為には、つり込み時から左右のバランスを良く見極めて、作業していく必要がある為に、熟練の技が必要となるものであると感じました。
綺麗な断層を作る事が出来るよう、中物の詰め方やヒールの削り方等を良く勉強しておかなくては
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕】
次回はいよいよ仕上げの工程へとなります
次回もどうぞ宜しくお願い致します


