モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕 六章 最終仕上げ】
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皆様こんにちは、モヒカンです
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』【第二幕】
連続3日目となる本日は、第二幕の最終章といたしまして、最終仕上げの工程です
作業を進めるにあたり、まず始めに仕上げの下準備として、全体をサンドペーパーで荒らしていきます。
サンドペーパーで表面を荒らす事で製作時に付いた小さな傷や、シミを一時的に消す事が出来ます。
また、後の作業で使用する溶剤の乗りを良くする作用もあります。
全体的に荒らし終えたら次に仕上げ剤を塗り込み延ばしていきます。
仕上げ剤を塗り込む事により、一度付いてしまった傷を消し綺麗な本底を見せる事が出来ます。
また、本底の強度を上げる事も出来る為、靴を作製するに当たって重要な工程となります。
今回は無色透明の溶剤を使用しましたが、カラーを入れ磨くといった方法や、『半カラス仕上げ』等、2TONEのデザインで塗布するといった方法があります。
その様々な手法を、職人さん達は使い分け全体のバランスを考え使い分けています。
歩行した際には殆ど見る事の無い部分であり、履き込んでいくと削れてボソボソになってしまう部分ですが、その部分にも作品として自分なりのデザインを落とし込んでいる職人さん達はとても素晴らしいと感じます
次に、コバ部分に着色を施していきます。
前回は無色でのコバ仕上げでしたが、今回はダークブラウンを着色していきます。
濃い色を下に持ってくると重厚感が出てくる為、今回はアッパーのネイビー色に合わせダークブラウンを採用しました。
着色が終わったら『コテあて』と呼ばれる作業を行います。
このコテあての作業を行う事で前段階で着色した染料を流れ出すのを防ぐと共に、コバ部分に艶を持たせ、完成度を上げる事が出来ます。
コテあてを行うにあたり、電熱器で道具を熱しておきます。
大切な道具を電熱器で熱するといった光景に始めは目を疑いました。
このように考えてみると、靴作りは何かと『熱』を使うことが多いように感じます。
しかし、今までは摩擦で発する『熱』で表面を仕上げたり磨いたりするものや、熱で芯まで染み込ませたりするものだったので、今回のような本当に熱くなる熱を使用するのは初めてでした。
コバ部分にロウを塗りこみ、それを熱したコテで溶かしながら擦り込んでいきます。
そして、その上にロウを塗りこみ…
と、数回に分けて塗りこむ事で艶が生まれ綺麗なコバを生み出す事が出来ます。
熱したコテは数百度になっている為もの凄く熱くなっています。
きちんと扱わなくては自分が火傷するのは勿論の事、革が焼けて黒こげとなってしまいます。
作製をスムーズに行う為の道具ですが、使い方をひとつで便利になるだけでなく怪我や靴を壊してしまう原因にもなる為、用途に合った方法で使用するのが重要となります。
当たり前の事なのですが、マニュアル通りにはいかない靴作りでは自分なりに道具の使い方を変えて使用することがあります。
その為、毎回の新しいチャレンジが新たな発見へと繋がる事が多く、とても面白いものであります。
コバにコテあてが終わったらヒール部にデザインの為の『仕上げゴテ』を当てていきます。
一説によると、靴のヒールは別パーツに見えるようにすると綺麗な靴に見えると考えられている為、ヒール部にのみちょっとしたデザインを入れる事が多くあります。
今回はコバ部分を着色して仕上げたので少し分かり辛いのですが、コテを当てた部分には段差が出来、より立体感が生まれるようになっています。
そして、仕上げゴテでデザインラインを入れ終えたら、いよいよ完成となります
そして、最後の作業として木型を抜いていきます。
前回もそうだったのですが、この瞬間が一番緊張し、何より嬉しい瞬間です

靴をしっかりと押さえ、
せぇー
の

スポッ
この後、アッパー部にシュークリームを入れ、全体的に色を落ち着かせ完成となります。



このようにしてみると、ちゃんと履ける靴っぽく見えますが、良くみてみると不満点がたくさん出てきます…。
一足目を作製した時は完成した事に満足してしまい、あまり考えなかったのですが、二足目を作製し、完成品を良く見てみると、
①左右のバランスの不一致
左右を良く見比べてみると、ヒールの大きさやコバの張り出しの大きさが左右で微妙に違う為、とても気になりました。
②ミシンのガタツキ
ミシンステッチのガタツキがとても気になりました。
革は一度縫製してしまうと穴が開いてしまう為、縫い直しがききません。
その為一発勝負となるのですが、ミシンとお友達になりきれていない僕はまだまだ縫製時にガタツキが見られます。
今後はミシンとお友達になる事が出来るよう今以上に練習する必要があると感じました。
二足目を作製してみて、一足目作成時では感じ取れなかった靴の魅力を感じる事が出来ました。
見えないところにこそ拘りを持って作製する事により、より自分のアジを出す事が出来るのかな?
と考えながら、次回の靴作製に臨んでいきたいと考えています
モヒカン福田の『Schumacher(靴職人)への道』
今後ともどうぞ宜しくお願い致します


